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ラスベガスを代表する2大カジノリゾート・シーザーズ・エンターテインメントとMGMリゾーツが相次いで身売りを決断しました。
シーザーズ・エンターテインメンは、「シーザーズ・パレス」をはじめ北米50以上のカジノ施設を運営するこの企業が、米富豪ティルマン・ファティータ氏率いるファティータ・エンターテインメントに約176億ドル(約2兆5,000億円)で買収されることが決まりました。ファティータ氏はNBAヒューストン・ロケッツのオーナーでもあり、カジノ業界でも「ゴールデン・ナゲット」などを手がけてきた実業家です。
一方、MGMリゾーツには、メディア界の大物バリー・ディラー氏が率いるPeople Incが約180億ドル(約2兆6,000億円)での買収を提案しています。実現すれば、MGMは非上場企業として新たなスタートを切ることになります。

2社が追い詰められた最大の理由は、オンラインギャンブルの急速な普及です。スマートフォンひとつで気軽に楽しめるオンラインカジノやスポーツベッティングが米国各州で続々と合法化され、わざわざラスベガスに足を運ばなくてもギャンブルを楽しめる時代になりました。
シーザーズ自身もオンラインスポーツ賭博を北米34の地域で展開し、オンラインカジノも5つの地域で運営していますが、デジタル化の波に乗り切れず赤字が続いていました。シリコンバレーのIT企業のように身軽に動けないのが、重厚な実物施設を抱えるリゾート企業の宿命でもあります。


追い打ちをかけたのが、トランプ政権下で進む外国人観光客の米国離れです。ラスベガスへの訪問者数は、直近16か月のうち14か月で前年を下回りました。特に主要マーケットであるカナダ・メキシコからの旅行者が激減し、2026年4月の国際線旅客数は前年比12%減を記録しています。
入国審査の厳格化や対米感情の悪化が影響しているとみられ、カジノ収益を支えてきた「海外からのビッグスペンダー」が来なくなっているのです。


シーザーズとMGMの身売りは、オンライン賭博の台頭と観光客の減少という「二重苦」が引き金でした。ラスベガスはいま、歴史的な転換点を迎えています。
とはいえ、ラスベガスが完全に終わったわけではありません。F1グランプリの誘致やNFLレイダーズの本拠地移転など、「脱カジノ」を目指した総合エンターテインメント都市への転換も進んでいます。ゲーミング収益自体は2026年に入って回復傾向も見られます。そしてちょうど現在開催されている世界一のポーカー大会「WSOP(ワールドシリーズオブポーカー)」も毎年多くの参加者を集めています。
ファティータ氏やディラー氏のような大富豪が巨額を投じて買いに来ているという事実は、ラスベガスの底力がまだあることの裏返しともいえます。新オーナーのもとで、どんな変革が起きるのか、カジノ王国の再起に注目です。
参考元:
日本経済新聞: ラスベガスのカジノ大手2社が身売り オンライン賭博の台頭など直撃
Las Vegas Review-Journal: Caesars Entertainment to be acquired by Fertitta Entertainment in $17.6B deal
Fox5 Vegas: People Inc. proposes $18 billion buyout of MGM Resorts
Bloomberg: Vegas Tourism Hit, Online Rivals Put Caesars and MGM in Play
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