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ゲーミング業界で、「AIを使っています」という企業は増えているようです。
しかし、実際どのくらい使いこなせているのでしょうか?
世界83社のゲーミング企業を対象に、ネバダ大学ラスベガス校(UNLV)国際ゲーミング研究所とKPMGが共同でまとめた大規模調査報告書『The State of AI in Gaming 2026』によると、各企業のAI活用への高い意欲と、それに追いついていない実態のギャップが浮き彫りになったようです。
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このレポートでは、ゲーミング業界各社のAI成熟度を測るべく構築された独自の「AI成熟度インデックス」に基づいて、100点満点のスコアで評価されます。
しかし83社の平均スコアは45点と振るわず、AI成熟度は「発展途上(Developing)」という位置付けをされました。
インデックスは戦略・インフラ・専門知識・ガバナンスの4軸で構成されており、うち最も高かったのは「戦略」分野で57点。半数近くの企業が正式なAI戦略を持ち、方向性自体は固まってきています。一方で最も低かったのが「ガバナンス」で、わずか30点。AI倫理/責任ある利用を管理する専任役を配備している企業は5社に1社にとどまり、3分の1近くの企業は責任あるAI実践をまったく有さないという結果が出ています。
また、生成AIは8割超の企業が使用している一方で、エージェント型AIの採用はまだごく少数。ギャンブルという業種特性上、自律的に判断・行動するエージェント型AIの導入はコンプライアンスやプレイヤー保護に失敗するリスクが高いため、慎重な姿勢が続いているようです。
今回のレポートが示した課題のうち、特に注目のポイントを4つ挙げます。
AI導入の最大の動機は「コスト削減と効率改善」ですが、実際に投資対効果(ROI)を実現できている企業はわずか5社に1社。59%以上の企業がAIによるコスト削減は「ほぼない」または「小さい」と回答しています。AI戦略を明確に持つ企業は、測定手法も厳密で、ROI達成率も高い傾向があり、「戦略なき導入」は成果につながりにくいことが示されています。
AIスケールアップを妨げる最大の障壁として「知識とトレーニングのギャップ」を61.4%の企業が挙げましたが、その一方で42.2%の企業はAI特化の採用計画がないとも回答。課題を認識しながら行動に移れていないというジレンマが浮き彫りです。
規制当局は「事業者はAIを顧客対応に主に使っている」と思っている一方で、実際の業界は「テクノロジー・セキュリティや商品開発」に集中しているという大きなズレが確認されました。規制側は自信を持ってライセンシーのAI利用を把握できないとも回答しており、適切な監督が難しくなっている現状があります。
2023年以降、ギャンブル分野でのAI関連インシデントが急増しています。最も多いのが違法・不正なギャンブルを促すためのディープフェイク活用。次いでプレイヤーへの過剰なターゲティングや、依存問題検出システムの失敗なども報告されています。責任あるAI実践が追いついていない現状が、こうしたリスクを高めています。
では日本をめぐる事情はどのように調査・報告されているかを見てみましょう。
まず規制面では、2026年1月時点でアジア太平洋地域ではギャンブル×AIに関する規制・立法の動きがゼロと記録されています。北米・西欧では責任あるギャンブリングへのAI活用を義務化・推奨する規制が次々と整備されている一方、アジア太平洋は「白地」の状態です。日本がIR(統合型リゾート)の整備を進めるにあたり、AIガバナンスの議論がまだ追いついていないことは、今後の重要な課題になりうるでしょう。
てことは、昨年のこれ規制と認識されなかったんですね…↓

一方で、特許という点では日本企業が世界をリードしています。AI×ゲーミング特許の取得数・申請数で世界1位は日本のエンゼルグループ(Angel Group CO LTD)で、取得件数86件、申請件数384件。2位もAngel Playing Cards CO LTD(同じく日本)で266件の申請を誇ります。また、コナミゲーミングもトップ10申請企業に名を連ねています。特許申請の管轄別では、日本は56件で世界7位(2.6%)と、存在感を示していす。

研究面でも動きがあります。AI×ギャンブルに関する学術論文の発表数を地域別に見ると、東アジア・太平洋が26.6%で世界首位(2025年時点)。最近5年間のトップ機関リストには京都大学(4件)が入っており、日本の研究機関もこの領域に貢献し始めています。さらに、AXES.ai(ゲーミング分析分野で日本市場との関わりが深い企業)がレポートの創設メンバーとして名を連ね、CEOのコメントも掲載されています。
規制や議論はまだまだ遅れているものの、特許出願数では世界トップクラスの存在感を見せる日本。果たして日本は責任あるAI実装やガバナンス整備でも世界をリードできるか。IRの本格開業が近づくなか、このレポートが示す「課題」を先取りして動けるかどうかが、今後の競争力を左右するかもしれません。
参考元:
UNLV International Gaming Institute × KPMG LLP: The State of AI in Gaming 2026(AiR Hub Initiative)
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