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マカオやシンガポール、フィリピン、韓国など、アジア圏のカジノで最も人気のあるゲームといえば、バカラです。プレイヤー側・バンカー側のどちらが勝つかを予想するだけのシンプルさとカードしぼり(スクイーズ)の熱さが人気のバカラですが、近年この定番ゲームに、少しずつ変化が生まれています。
最近のバカラに増えたもの、それは「豊富なサイドベット」です。
サイドベットとは、本来のゲーム勝敗とは別の「ある特定状況の出現」に賭けるベットで、バカラだけでなく様々なゲームにあります。特徴として、
当たると配当が大きい
という点があります。
バカラの代表的なサイドベットは、引き分けに賭ける「タイベット」です。通常ベットの配当は等倍であるのに比べ、タイベットは当たれば8倍もの配当がもらえます。
タイベットは昔からある定番の賭け枠ですが、その後ペアベットやドラゴン7などが登場し、さらにスマートテーブル技術の普及により多様なサイドベットが増え続け、昨今は大小(Sic bo)のように「沢山いろんな賭け枠があるゲーム」の様相さえ呈してきました。

マカオでは2024年以降、ラッキー6やラッキー7、スーパーラッキー7、さらにはスモール6/ビッグ6 のような派生まで、多様なサイドベットが一気に普及しました。
だいたいが「バンカーが3枚のカードで合計7で勝ったとき」とか「バンカー6に対しプレイヤーが7で勝ったとき」のような、ごく限定された特定のパターン出現時のみ発動する、といったものです。出現率が低い分当たると配当が大きいので、賭ける側は一攫千金を夢見てつい置きたくなってしまいます。カジノ側にとっても、スマートテーブルのおかげでキャリアの浅いディーラーでも任せられます。
お客さんにとっては様々なベットの楽しみが増え、カジノ側にとっては扱いやすい。なるほどこれは両者にとってメリットがある変化と言えるかもしれません。
しかし、サイドベットは増えれば増えるほど、カジノにとって有利な状況が広がります。
なぜなら、これらのサイドベットは基本的に全部ハウスエッジが高いからです。
ハウスエッジ(House Edge)とは、ゲームのルール設計上カジノ側が長期的に得られる利益率のことを指します。プレイヤーが賭けた金額のうち、統計的にどれだけカジノが受け取る設計になっているかを示す数値で、数字が高いほどプレイヤーに不利になります。
1万円のベットのうち、ハウスエッジが1%なら100円、10%なら1000円がカジノの取り分になるというイメージです。
本来のバカラは、カジノの優位度がかなり低く抑えられています。ベットを基本のプレイヤー/バンカーのいずれかにとどめておけば、ハウスエッジはわずか約1.06%〜1.24%*です。
*比較:ルーレットは2.7%~5.26%、競馬は25%、宝くじは50%以上
バカラといえばニュースでたびたび話題になる「怖〜いゲーム」のイメージが強いですが、実はカジノゲームの中でもトップクラスに「お客さんにとって優しいゲーム」なのです。
しかし、サイドベットに目を向けると状況は一変、どのベットもおおむね14〜18%くらいのハウスエッジが設定されています。プレイヤー/バンカーの基本ベットと比べ、実に10倍以上ハウスの取り分が多いのです。さらにマカオやシンガポールで導入が進むドラゴンタイガー系サイドベットは、配当こそ魅力的ですが、ハウスエッジが 20%以上に達するものもあります。

サイドベットは高配当が印象に残るため、当たったときの興奮が大きく、ものすごく得した気分になりますが、そこには「長期的には勝ちにくい」という冷静な数学がしっかり組み込まれています。
「特定のパターン出現に対する配当」という、元のバカラの構造にはない要素に依存している分、配当を派手に見せながら実際の確率と配当の差を利用してカジノ側の利益率を上げられる仕組みになっているわけです。
バカラは人気のゲームですが、基本のベットはハウスエッジが低いので、カジノ側はなんとかして「お客様の楽しみを増やしながらかつ利益も増やす方法」を模索しています。サイドベットはその目的にピタリとはまる策で、次から次へと多様な賭け枠が登場し、現在進行形で常に進化しています。
一概にサイドベットが悪いわけではありません。豊富なサイドベットによって新たなゲーム性が生まれ、本来単純なバカラに別の楽しみ方が広がったのも事実です。
しかし、バカラを長く楽しみたければ、やはりサイドベットは得策ではありません。カジノがこれだけサイドベットを増やすのは「そこに利益が出るから」です。サイドベットは出現率が低いため、賭け続けているとみるみるチップが減っていきます。
サイドベットはあくまでもスパイス。ときどきちょっと気が向いたときだけ、最後に端数の少額チップを試しに置いてみるだけ、といった楽しみ方に留めておくのが無難でしょう。
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