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2030年の開業を目指す大阪IR(カジノを含む統合型リゾート)の建設が開始しました。
建設地の夢洲(大阪市此花区)では現在、隣接する場所で大阪・関西万博が開催中。万博開催中の着工に騒音や景観の問題はないのでしょうか。
先月24日に行われた大阪IR起工式には、大阪府の吉村知事をはじめ大阪市の横山英幸市ほかおよそ150名が参加。事業者のエドワード・バウワーズ氏(MGMリゾーツ・インターナショナル日本法人)は「世界から称賛されるIRの実現に取り組んでいきたい」と述べました。IRの予定地は夢洲北側の約50万m2で、カジノやホテル、国際会議場などが整備される予定です。
万博開催中の騒音・景観等についての問題は早い段階から指摘されていました。
昨年6月、博覧会協会の会長も務める経団連の十倉雅和氏が、大阪府の吉村知事に「景観や騒音などの問題が懸念されるため万博開催中はIR工事を中断できないか」と申し入れていた経緯があります。十倉会長だけでなく、BIE(博覧会国際事務局)のケルケンツェス事務局長も来日時、吉村大阪府知事に同様の依頼を行っていました。
どうやら当時博覧会側は、IR工事がここまで並行して行われると認識していなかったようです。しかしもともとから万博とIRの計画は並行して進む予定であり、ならばもっと早い段階から互いに歩み寄って調整しておくべきだったところ、大阪府市と博覧会協会の連携がうまくされていなかったようです。
博覧会側からの要望に対し対し吉村知事は「工事の中断は難しいという回答をIR事業者から受けているが、もう一度考えられないかという話もしている」と、要望を踏まえ協議している旨回答していました。府市としては工事の中断を強く求めたいところですが、簡単にはできない事情があったのです。
当時はまだ、IR事業者が違約金なして計画から撤退できる「解除権」を行使できる段階にありました。事業者がペナルティなしで「じゃあ、全部やめた!」と言える立場にある以上、大阪府市としては「お願い」しかできないという難しい状況だったのです。
結局その後解除権を行使できる期間は失効し、大阪IRの建設は無事決定。しかし結局、工事の中断については事業者側が受け入れることはなく、万博開催とほぼ同時にIR工事は始まりました。
ただし何も対策がないわけではなく、万博開催中のIR工事における騒音、粉塵、景観、渋滞問題の折り合いについて大阪府市は「万博会期中のくい打ち工事を当初予定から延期する、休工日を増やす、重機の稼働台数や工事音のピークを万博閉幕後にずらす」等で、騒音や交通渋滞の低減対策とすることを発表しました。
そして先月末より工事は開始、いよいよ万博とIR建設が並行して行われる段階となりました。
といっても工事は始まったばかり、大阪府市がつけた折り合い通りに騒音や渋滞の問題が緩和されるのかはまだまだわかりません、大阪・関西万博は10月13日まで開催されます。今後万博へ騒音や粉塵、渋滞の問題が及ばず無事にIR建設が進むよう、祈りたいところです。
参考元
大阪府:IR工事における万博への影響低減策
関西テレビ:万博開催中『IR工事中断』博覧会協会幹部が要望
毎日新聞:万博期間中のIR工事を延期 騒音や交通渋滞を低減 解除権は失効
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