MENU

03-4500-2225
営業時間:10:00~19:00(平日)

03-4500-2225
営業時間:10:00~19:00(平日)

競馬や宝くじに当たったら税金を払うの?計算方法は?バレない術はある?

公営競技や宝くじで勝ったら税金を払うの?

公営オートレース「モトロトBIG」の払戻金約1億8200万円を隠蔽し、所得税約7700万円を脱税した疑いで岐阜市の男性が名古屋国税局から告発されました。

高額当選に与る機会がないと、およそ考えることがない「税金」ですが、来たる日のジャックポットに備えこれを機にぜひ学習しておきたいと思います。

目次

宝くじの当選金にかかる税金

宝くじ ナンバーズ

宝くじの当選金については、当せん金付証票法の第13条にて非課税と定めています。つまり、いくら高額の当選金を得ても、それ自体に対しては所得税も住民税もかかりません。ジャンボ宝くじなどの普通くじのほか、ナンバーズ、ロト、ビンゴ5、スクラッチなどがこれに該当します。

理由は、宝くじは購入時にすでに税金が購入価格に含まれているから、です。宝くじは法律で発売総額に対する当せん金額の割合が5割を超えてはならないと明記されてます。つまりはなから50%以上が運営側に取られると確定しており、約15%弱の運営費用を除いた後に残る約38%が少子高齢化対策、防災対策、教育施設・福祉施設などの公共事業に使われています。

ただし、以下のようなケースでは課税の対象となる可能性があります。

贈与税の対象となるケース

当選者が当選金を家族や友人に贈与する場合、その金額が年間110万円を超えると贈与税の対象になります。とくに共同購入をした場合などは要注意です。

相続税の対象となるケース

当選者が受け取った後に亡くなり、配偶者や子供が相続する場合は相続税の対象となります。

投資や運用による利益に対する課税

当選金を元手に投資を行い、そこから得た利益には当然所得税がかかります。

公営競技の払戻金にかかる税金

勝ち馬投票券

公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)で得た払戻金は、一般的に「一時所得」として課税されます。

一時所得は、以下の計算式で課税対象額が求められます。

(総収入金額-収入を得るために直接要した費用-特別控除額50万円)× 1/2 = 課税対象額

例えば、競馬の払戻金として200万円を受け取り、それに要した馬券の購入費用が100万円だった場合、

(200万円 – 100万円 – 50万円)× 1/2 = 25万円 が課税対象額となります。

実際に納める税額は、算出された課税対象額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めてから計算します。

ハズレ馬券の費用は控除されないの?

馬券を握りしめる手

前項の例における「それに要した馬券の購入費用」とは、あくまでも200万円の払い戻し金を得るに至った勝馬投票券の購入費用のことです。これについては「利益を得るためにかかった費用」として課税対象所得から控除されますが、ハズレ馬券については控除の対象外となります。

え、それっておかしくないですか?!

いやー納得いかないですよねわかります。

この「一時所得」とは

営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得

ということで、つまり事業ではないから原則必要経費は認められないということになっているそうです。なお一時所得には他に生命保険の一時金、法人から贈与された金品、遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等などがあります。

雑所得としての課税(営利目的の場合)
一般人が競馬などの公営競技を娯楽として楽しむ場合(つまりほとんどのケース)は「事業」に該当しませんが、単なる娯楽ではなく営利目的で継続的に行われていた=事業として実態があると見なされ、ハズレ馬券を含む購入費用を必要経費として認めた判例が過去数件存在するようです。この場合、収入は「雑所得」として扱われることになります。

宝くじと公営競技の期待値

税金について考える

競馬や競艇など公営競技の期待値は75%、宝くじは50%弱と、還元率は公営競技のほうが高い。ところが、一方で宝くじは非課税。

となると、課税対象となるレベルの高額な払戻金を獲得した場合、公営競技の期待値は納税ぶんも含めると60%を切ることもあります。つまり、公営競技もなかなかの期待値(の低さ)と言えますね。そもそも、宝くじも公営競技も「公益」を違法性阻却の根拠としている(*注)以上、仕方ないのですが…。
*注「ギャンブルは違法だけど、収益が社会の役に立つ場合のみ良いってことにしよう!」みたいな感じです。

申告制なら黙っててもバレない?

確定申告

その発想を捨てましょう。

税務署をなめてはいけません。

今回告発された男性だって、当該案件は令和5年のこと。何事もなく過ぎ去ったように見えてもマルサは後からやってきます。

公営競技の払戻金に関して適切な確定申告を行わなかった場合、税務署の指摘により以下のようなペナルティが課される可能性があります。

申告しなかった場合の加算税

  1. 過少申告加算税
    申告すべき税額より少なく申告していた場合、不足分に対して10%(または50万円を超える部分は15%)の加算税
  2. 無申告加算税
    申告を怠っていた場合、原則として納税額の15%(50万円超の部分は300万円まで20%、300万円超分は30%)
  3. 重加算税
    意図的に隠蔽や偽装を行っていたと認められた場合、通常の税額に加えて35%(または50万円超の部分は40%)+延滞税
  4. 延滞税
    申告・納税が遅れた場合には延滞税が発生し、遅延期間に応じて日々加算

刑事罰の可能性

悪質な脱税行為が認められると所得税法違反で逮捕・起訴されることもあります。過去には競馬の高額払戻金を無申告のまま放置し、逮捕に至った事例もあります。

でもやっぱり納得いかないんですけど…

中には当然「1000万円の当たりを出すのに1000万円以上の馬券を買った」という人もいます。そのとき課税対象額から控除できるのが当たり馬券だけだとしたらそもそもほとんど儲けがない上に、課税までされたらむしろ赤字になってしまう。さすがにこれはおかしいではないですか。

かつて競馬や競艇等の投票券は紙でのみ発行されていたため、ハズレ券は拾って集められるからいくらでも経費にできてしまう、いう理屈もあったでしょう。しかし昨今はオンラインでの購入がメイン。すべての購入・払戻し履歴が追跡できるならこの法律も見直すべきではないのか、加えてそもそも投票券の購入時に運営側の控除分にすでに税金のようなものが含まれている以上、二重課税なのではないかという見解を示す法律家や税理士の声もあります。

あとで困らないために

ルールの見直しについては今後の展開を見守るとして、いったんは現行の規定に従うほかありません。

納税はその場ではなく後から申告して行う以上、納税分のお金を残さず使ってしまったらエラいことになってしまいます。大きな利益を得た際には、後のトラブルを避けるためにも適切な対応を行うことが重要です。税務申告に関して不明点がある場合は、税理士や専門家に相談することをお勧めします。

今回の事件をきっかけに、公営競技や宝くじに関する税金のことを知っておいた上で、いつ高額当選が来ても慌てないよう、心の準備をしておきましょう!

参考元:
産経新聞 オートレース払戻金を不申告で脱税容疑 7700万円、岐阜の51歳男性
国税庁公式サイト
裁判所 最高裁判決(2015年12月18日)
宝くじ公式サイト(全国自治宝くじ事務協議会)
経理COMPASS 競馬にかかる税金はいくらから?ハズレ馬券は経費になる?
マイナビ税理士 競馬の配当はいくらから税金かかる?外れ馬券の扱いも解説
大和ネクスト銀行 宝くじの売上はどのように使われるのか
MUFG 宝くじに税金はかかる?税金が課されるケースや注意点をわかりやすく解説

あわせて読みたい

  • URLをコピーしました!
目次