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「クラップスの遊び方」シリーズ第2回です。前回記事はこちらから
前回はクラップスの概要と、最も基本的なベット「パスライン」についてご紹介しました。
前記事では「あれだけでも十分遊べる」と申し上げたのですが、すみません…実は、それは嘘ではないものの、実は一番の醍醐味である「オッズベット」をまだご紹介していません。
「オッズベット」はパスラインベットと必ずセットで知っておきたい重要ポイントです。なぜならオッズベットはプレイヤーにとって非常に有利な賭け方だから。つまりパスラインベットをするならオッズベットについて知らずにいるわけにはいきません。
本記事では「オッズベットとは」から「なぜプレイヤーにとって有利なのか」の理由、そして賭け方までわかりやすくご紹介します。
オッズベットは、ポイントとなる番号が決定した際にパスラインベットに対して追加で行うことができるベットのことを指します。
そもそもなぜわざわざ後から追加のベットをするのでしょうか?
ブラックジャックのオプションベット(ダブルダウンやスプリットなど)は、ハンドの勝率が高い場合に行うので追加ベットする意味がありますが、クラップスは追加ベットで勝率が上がるわけではないのです。それなのにわざわざ後から追加のベットを足す理由は一体何でしょう。
実はオッズベットは、パスラインベットより配当倍率が良いのです。つまり最初に置いたベットより、後から追加で置いたベットの方が配当が多くもらえるのですね。ここはクラップス最大のポイントなので、よく覚えておいてください。
オッズベットは、ポイントの数字が決まってから行います。カムアウトロール(第1ステージ)でオッズベットを行うことはできません。
パスラインベットには指定された置き場所がありますが、実はオッズベットにはゲームテーブル上に指定された置き場所がありません。ではどうやってオッズベットを置くかというと、パスライン枠外に置きます。画像のように、ご自身のパスラインベットの手前に置けば自動的にオッズベットであると判断されます。
以降パスラインベットは、ポイントの数字が出たら配当、その前に7が出てしまったら没収となりますが、オッズベットも全く同じです。ポイントの数字が出たら配当、その前に7が出たら没収となります。
違うのは配当倍率です。
パスラインベットへの配当はポイントの数字が何であっても等倍ですが、オッズベットはダイス出現率の純粋な確率に基づいた配当が得られます
ではここで、2つのダイスの出目(全36通り)をを見てみましょう。
合計が7になる出目は全部で6通りです。
それに対し、4と10の出目はそれぞれ3種類、5と9は4種類、6と8は5種類。つまり7はどのポイントの数字よりも出る確率が高いのです。
仮にポイントが4になった場合、勝つためには7より先に4が出なければいけません。
ところが7は、4より出る確率が2倍高いのです。
ということは、ポイントが4に決まってしまったら、ポイントロールはプレイヤーにとって圧倒的に不利な勝負となります。
ポイントの数字となりうる4〜10の出目と7の出現率してみると、以下のようになります。
ポイントの数字 | 出目の種類 | 出現率比較 |
---|---|---|
4 | 3通り | 7が出る確率の方が2倍高い |
5 | 4通り | 7が出る確率の方が1.5倍高い |
6 | 5通り | 7が出る確率の方が1.2倍高い |
8 | 5通り | 7が出る確率の方が1.2倍高い |
9 | 4通り | 7が出る確率の方が1.5倍高い |
10 | 3通り | 7が出る確率の方が2倍高い |
もしポイントが6だったらどうでしょう。7の出目6種類に対し、6の出目がは5種類。負けてはいるものの、7の出る確率は6が出る確率に対して1.2倍、と4よりはまだ多少はマシですね。
ところが、パスラインベットへの配当は、ポイントが何であっても常に「等倍」なのです。ポイントが4なら、6のときよりかなり不利な戦いなのに、配当は同じ。これはどうも納得がいきません。
そこで、オッズベットの登場です。
常に等倍配当のパスラインベットと違い、オッズベットはダイスの出現率に応じて配当倍率が変わります。
ポイントの数字 | オッズベットへの配当率 |
---|---|
4 | 2倍 |
5 | 1.5倍 |
6 | 1.2倍 |
8 | 1.2倍 |
9 | 1.5倍 |
10 | 2倍 |
つまり出現率が低くなるほど配当が高くなるのですが、注目はその倍率です。先ほどの表の出現率比較を見てみてください。
7は、4または10より2倍出る確率が高い。だから、4または10で勝ったら配当は2倍つきます。
7は、5または9より1.5倍出る確率が高い。だから、5または9で勝ったら配当は1.5倍つきます。
7は、6または8より1.2倍出る確率が高い。だから、6または8で勝ったら配当は1.2倍つきます。
つまり、配当が出現率通りの倍率でつくということです。
これが何を意味するかというと、カジノ側の控除率(ハウスエッジ)がゼロということです。
ハウスエッジ(House Edge)とは、あらゆるゲーミングのルール上運営側が有利になるよう設計されている割合を指し、つまりプレイヤーが長期的に平均して失う割合の数値を表します。たとえばハウスエッジが2%であれば、100ドル賭けると理論上は2ドル分が運営側の利益となります。ハウスエッジが高いほど運営側の儲け度合いが上がり。低いゲームほど運営側の有利度が下がります。
さらに詳しく
通常、カジノおよびあらゆるゲーミングにおいて、配当が出現率通りに還元されることはなく、それよりも少し(またはだいぶ)少なく配当されます。ハウスエッジは、あらゆるゲーミングの運営原資。ハウスエッジがなければそもそも運営ができません。それが「ゼロ」になるゲームは他に存在せず、クラップスというゲームの大きな特徴となっています。
オッズベットがいかに有利か、以下わかりやすく例示します。
仮に、1回のゲームで500ドル賭けるとします。
これを、
A | パスラインに500ドル |
B | パスラインに100ドル+オッズベットに400ドル |
と異なる賭け方をした場合の2パターンについて考えてみましょう。
どちらも500ドルを賭けているという点ではまったく同じです。
仮にポイントが9だった場合、
Aの配当 | 500ドル |
Bの配当 | 100ドル+600ドル=700ドル |
となります。どちらも負けたら500ドル没収されるのは同じなのにリターンが全然違うのです。オッズベットがいかにプレイヤーにとってぜひ知っておきたいものであるかがよくわかりますね。
先ほどの配当率を、元の賭け金に対する比率に直して見てみると、オッズベットはこのような配当となります。
ポイントの数字 | オッズベットへの配当率 | 元の賭け金への比率 |
---|---|---|
4 | 2倍 | $1に対して$2の配当 |
5 | 1.5倍 | $2に対して$3の配当 |
6 | 1.2倍 | $5に対して$6の配当 |
8 | 1.2倍 | $5に対して$6の配当 |
9 | 1.5倍 | $2に対して$3の配当 |
10 | 2倍 | $1に対して$2の配当 |
クラップステーブルにおいて通常は1ドルより小さいチップは使いません。つまり端数が出た場合切り捨てで配当されることが多く、ちょっと損をすることになります。
たとえば、ポイントの数字5に対してオッズベットを3ドル置いたら正確な配当(1.5倍)は4.5ドルですが、0.5ドルが切り捨てられるため4ドルしか返ってこないことになります。そのため、原則として
ポイントが5と9の場合、オッズベットは偶数の額を賭ける
ポイントが6と8の場合、オッズベットは5の倍数の額を賭ける
ということをぜひ覚えておきましょう。(4と10のときは何でもいいです)
そうしなかった場合でもプレイヤーが損するだけなので厳守必須のルールではないのですが、クラップスをよく知っている人はだいたいそうしているので原則守っておいたほうが「わかってる人」になれます。
ここまでの説明でオッズベットは何だか「良いことずくめ」に感じますが、当然うまい話ばかりではありません。いくつかの注意点がありますので、順に見ていきましょう。
前述のとおり、パスラインベットへの配当は、ポイントの数字が何であろうと常に等倍です。ポイントが4であろうが6であろうが7よりは出る確率が低いのに配当は等倍、ということはすでにここにハウスエッジが含まれています。
オッズベットはあくまでもパスラインベットへの賭け増しのため、単体で賭けることはできません。つまり、常にパスラインベットとセットである以上、ハウスエッジが完全にゼロになることはない、という点はご留意ください。
ハウスエッジがゼロになるというよりは、オッズの部分だけエッジがゼロになることで「トータルのハウスエッジを下げられる」というイメージで捉えてください。
プレイヤーにとってオッズベットは非常に有利、ということは、お店にとってはその逆ということ。そのためオッズベットは上限があることが多いです。多くのお店で採用されている「x3 x4 x5」ルールは、ポイントが4と10のときのオッズベットはパスラインベットの3倍まで、5と9のときは4倍まで、6と8のときは5倍まで、というものです。(そしてこの上限枠が意外な罠だったりするのですが、それはまた別の機会にあらためて…)
オッズベットの上限が非常に高いカジノではかなりハウスと対等に近い条件で戦うことができますが、結局のところ「限りなく対等に近くなる」だけで、プレイヤーが有利(=期待値がプラス)になるわけではありません。これはブラックジャックのベーシックストラテジーなどでも同様のことが言えますので、肝に銘じておきましょう。
パスラインに全額賭けるよりはオッズベットと分けたほうが良い旨をご紹介しましたが、オッズベットが有効なのは第2ステージの「ポイントロール」だけ。第1ステージである「カムアウトロール」でオッズベットは賭けらません。しかし結局のところ、プレイヤーにとってはカムアウトロールのほうが勝率は高いのです。オッズベットが賭けられるポイントロールに移行したら、ポイントの数字が何であろうと負ける確率のほうが高い。いくらオッズベットのハウスエッジがゼロとはいえ。不利な勝負になってからの賭け増しであるという点は忘れないようにしないといけません。
注意点はいろいろあるものの、オッズベットはクラップスをプレイする上で欠かせない、知らないわけにはいかないベットです。オッズベットは正式な賭け枠が表示されていないので知っている人しか賭けられないベットなのです。
この後の連載でも順次ご紹介していく予定ですが、クラップスは非常にたくさんの賭け方があるものの賭ける場所によってプレイヤーの有利度が全然違うゲームで、ここがルーレット(どこにどう賭けても有利不利の度合いは同じ)などとの大きな違いです。シンプルにぼったくりのような賭け枠もあれば、オッズベットのようなハウスエッジを下げられるベットもあります。そして、ぼったくり枠は初心者でも賭けやすい一方で、カジノの優位性を下げるベットは知らないと賭けられないようになっています。
かように、とんだトラップが随所にあるクラップスですが、だからこそ「知れば知るほど楽しいゲーム」でもあります。ぜひクラップスを知って、その奥深さを体感してください!
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